リンデンバウム

 爽やかな風に、思わず口ずさみたくなるシューベルトの歌曲「菩提樹」のボダイジュは、リンデンバウムというシナノキ科シナノキ属の落葉高木で、ドイツをはじめヨーロッパ中〜北部に多く親しまれている樹木のひとつです。初夏にクリーム色の香りの良い花を数輪ずつ葉の裏側からぶら下げるように咲かせます。その上にヘラのような苞葉が付いていてちょっと変わった咲き方ですから、一度みたら忘れないでしょう。

 この花をフランスやドイツではハーブティーとして使用します。パリ郊外の朝市で「ティラ」といって花を小さなかごに入れて売られていたことを思い出します(ティラはリンデンバウムの属名で、ハーブの世界ではフランス語でティリューユなどとも呼びます)。

 

 日本には、リンデンバウムの仲間の固有種「シナノキ」や「オオバシナノキ」など数種が自生あるいは栽培され、北海道・北日本や西日本の一部では、今日でもその丈夫な繊維をアイヌのアツシ織りや高級織物に用いています。また、リネンはリンデンバウムからきた言葉とも言われています。花からは甘い蜂蜜が採れ、今日の蜂蜜ブームでリンデン蜜の人気が高まるのではという観測もあるようです。

文責 高橋良孝

 ※その他のボダイジュについては、熱帯植物コラム菩提樹をご覧下さい。

                                [戻る]

渋谷区ふれあい植物センター 〒150-0011 東京都渋谷区東2-25-37 TEL:03-5468-1384 FAX:03-5468-9385
最新情報施設案内施設紹介イベント情報コラムリンクトップページ