熱帯植物コラム番外編 ムラサキ

むらさき科

  

古来より高貴な紫色を染める根が重宝されてきたムラサキ。江戸時代に人気だった「助六ゆかりの江戸紫」といった芝居などでは「恰好良い」の代名詞のように用いられることもありました。草木染の人気が高まっている今日、改めてこの植物へ関心を寄せる方もいらっしゃるでしょう。

 根は「紫根」という生薬として、解熱、解毒、凍傷、火傷などに用いられ、江戸時代には染めた絹を頭に巻いて病気平癒を願う風習もあったといいます。

昔は日本各地に自生するありふれた植物で、その種子を蒔いて育てる専門家もいましたが、明治時代からは合成染料の登場でムラサキの需要が減り、薬効を求める日本人もいなくなってしまいました。

現在では環境省レッドデータブックで国レベルで絶滅の危険性が高い植物に指定されるまでになっています。栽培は極めて難しく、植物園で株を増やすのも容易ではありません。

 ムラサキは、人が頼り、暮らしと共に守ってきた自然の一部で、それ故に現在失われつつあるといえるでしょう。

 

 

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