フェンネル

 

 日本(関東)は、この季節、寒さに耐えて花を咲かせる草本に大変恵まれています。早い春が訪れると、梅・桃・桜などの花木や、菫(すみれ)・蒲公英(たんぽぽ)・蓮華草(れんげそう)などが定番で咲きます。もちろん、土筆(つくし)、セリ、独活(うど)などの食用山野草の若芽も忘れられない「天地からの恵み」です。

 「野草」は、日本以外でも自然からの貴重な恵みとして、食べられたり、楽しまれてきました。そのうちヨーロッパで採取され、今日では多く栽培されているものに、フェンネルがあります。

 フェンネルといえば、セリ科ウイキョウ属で、全草にセリ科特有の芳香があります。1〜1.5メートルにすんなり伸びた、樹高とでも呼びたくなる茎に細い葉、その中心から出てくる可憐な蕾、次いで、明るい黄色の姫粒とでも呼んだら良いような花弁を展開する美しい姿が思い浮かびます。

 漢名では「茴香(ホイシャン)」、和名で「茴香(ういきょう)」といいます。これは、日本には中国から漢方薬として最初に渡来したことに起因しますが、むしろ、その後の「ヨーロッパ食文化の輸入」=「ハーブの普及」の折りの流れにより、日本では一般的に西洋由来の典型的なハーブとして迎えられています。

 原産地のヨーロッパではちょうど、日本でのにんじんや玉葱(これらも渡来品ですが)などのように、野菜使いで日常的に食卓に上がる感覚で親しまれています。

 フェンネルは蒸し暑さ、寒さにはそれほど強くないですが、関東地方での栽培が可能で、4月と7月頃の2度の播き時があります。多くのセリ科植物と共通して酸性土壌を好みませんが、セリのようには多湿を好みません。

 

                                                  文責 高橋良孝 

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